SFAを採用する企業が増えている背景には、限られた人材を有効活用して売上の増加につなげたいという経営者たちの思惑があります。ある程度の規模まで発展した企業では数十人から数百人のスタッフを抱えており、役割分担によって組織を動かしています。企業とは一種の機械のようなもので、それぞれの部署が本来の業務に専念し相互に連携を取ることで効果的に動けるようになります。顧客満足度を高めて案件を受注するためには、役割分担を徹底するのと同時に各部署のスタッフが自らの業務に専念できる環境を作ることが大切です。
役割分担が徹底されていない企業では、1人のスタッフが様々な業務を担当しなければなりません。例えば営業スタッフが一定期間内に発生した取引について代金の請求を行う場合、本来の業務に専念できなくなってしまいます。日本企業の多くは信用取引を行っているため後から代金を請求しますが、その作業は基本的に経理スタッフの仕事です。しかし零細企業や中小企業では営業スタッフが請求業務を担当しているケースも多く見られます。
役割分担を徹底していない企業では、重要な情報を特定のスタッフだけが保有しているケースも多く見られます。組織全体で顧客の要望に対応するためには、特定のスタッフだけが重要情報を保有している状況を変えなければなりません。顧客リストの作成など営業スタッフが抱えている様々な作業を自動化して負担を軽減するだけでなく、重要な情報を組織全体で共有できるようにするシステムがSFAです。スタッフを本来の業務に専念させると同時に組織的な営業活動を可能にするため、SFAを採用する企業が増えています。